2013年11月5日火曜日

2013年夏コミ刊 Imperfect Spectrum 電子版を公開しました


4LSの5冊目のかたわ少女イラスト集 "Imperfect Spectrum" PDF版が公式サイトからダウンロード可能になりました。(こちらは英語版になります)

2013年8月のコミックマーケット84で発刊されたものになります。これまでの既刊と同様、開発スタッフとゲストによるイラストが収録されています。どうぞお楽しみください。

2013年10月19日土曜日

翻訳進捗について

翻訳チームの者です。

以前の報告からかなり間が空いてしまいました。大変お待たせしております。

現状はおおむね以下の通りです。

 
Act2
Act3
Act4
笑美
レビュー1完了
レビュー1実施中
レビュー1実施中
華子
レビュー1完了
レビュー1実施中
レビュー1実施中
リリー
レビュー1完了
レビュー1完了
レビュー1実施中
レビュー2完了
レビュー2実施中
レビュー1完了
静音
レビュー1完了
レビュー1実施中
レビュー1実施中

レビュー2(2回目)終了の時点で、誤訳や不自然な言い回しを修正しきることを目指しています。
その後は実ゲームでの動作チェックや誤字脱字の修正等を行い、完成となります。

ルートごとに翻訳チームのメンバーが作業を担当していますが、学業や仕事の合間の作業ということもあり、なかなか全速力でとは行かないのが実情です。

可能な範囲で動作チェックを並行させるなどして、全体的な作業のスピードアップを図っていきたいと考えています。

目標としては来年3月までに全セクションでレビュー1完了、ルート2本でレビュー2完了、各ルートAct2で動作チェック開始を考えています。

もし英訳文のチェック・ゲームの動作確認等、ご協力いただける方がいましたら随時ご連絡をいただければ幸いです。

よろしくお願いします。

コミティア106参加のお知らせ

翻訳チームの者です。

直前の告知になってしまいましたが、明日のコミティア106にサークル参加いたします。
夏の既刊"Imperfect Spectrum"と、体験版のCD-Rを頒布予定です。

体験版はプレイ済みの方が大半とは思いますが、プロモーションということで用意してみました。中身はAct1V5で以前頒布したものからバージョンが上がっていますが、公式サイトからダウンロードできるものと中身は同じです。もし「ダウンロードはちょっと……」という方がいましたら、こちらもご利用ください。

また、先日のJapan Expoにて頒布されたフランス語訳チームによるイラスト集を入手することができましたので、参考展示いたします。(販売はありません)

よろしければぜひ足をお運びください。

2013年8月23日金曜日

かたわ少女フランス語版 特典イラスト集が公開されました


かたわ少女フランス語版の翻訳を担当したKawa Softが、リリースに合わせて製作したイラスト集が公開されました。

ゲーム内のイラストに加えて、新規のイラストが収録されています。内容はフランス語ですが、解読困難な文章は多くないと思われます。7月にパリにいけなかった方はこの機会をご利用ください。ゲームの翻訳とイラスト集の製作につきまして、改めてKawa Softにお礼を申し上げます。

翻訳チーム注:

このイラスト集にはかたわ少女完全版内のCGの大半(18禁シーン含む)が収録されています。完全版をプレイされていない方はネタバレに十分ご注意ください。

ダウンロードリンクはこちらの記事から参照ください。

http://katawashoujo.blogspot.jp/2013/08/kawasoft-artbook-now-available-for.html

2013年8月16日金曜日

Raide氏来日記念インタビュー


翻訳チームの者です。
Raide氏が今般来日されたのを機に、せっかくなのでインタビューを行いたいと思い、いくつか質問させていただきました。

■かたわ少女について:

・ゲームのことを知ったのはいつですか? 開発に参加しようと思った経緯はどんなものでしたか?

別のビジュアルノベル開発プロジェクトに参加している間に、かたわ少女のことを知りました。このプロジェクトは目標が大きすぎ、満足な進捗もなかったため、行き詰まっていました。かたわ少女については、開発チームが匿名掲示板から発生したという面白い経緯に引かれたのと、障害というテーマをちゃんと扱って欲しいと思いました。イラストレーターの枠に空きがあったので、KSキャラのファンイラストを大量に持ち込んで、開発者たちの目を引こうとしたわけです。

・リリーのイラスト担当となった経緯はなんでしょうか? KS内ではどのような絵を描いていますか?

リリーの担当になったのは、単純に前の担当者がいなくなったためです。KSのイラスト面で私が担当したのは、リリーの立ち絵と、イベントCGの半分くらいです。仕上げ作業は他のイラストレーターが行いました。そのほかには、誰もやる人がいなかったので、サウンドや音楽のディレクションも志願して行っています。結果的にはとても面白い経験でした。

・開発中に楽しいと感じたことはなんですか? 大変だと感じたことは?

楽しいと思ったのは、大事なこと、価値あること、大きな影響を与えうることをしているという感覚を得られたことです。大変だったのは、仲間の期待を裏切ってしまうのではないかという不安に常に駆られていた、という点です。

・完成後、KSそのものについてどのような印象を受けましたか? ファンからの反響の大きさについてはどう感じられましたか?

私たち開発者は何よりも自分たちのためにKSを完成させました。大きな反響については余録のようなものと思っています。次回作はかたわ少女よりもさらに面白く、野心的なものでないといけないんじゃないか、というプレッシャーを感じることもあります。


■ご自身について:

・かたわ少女の開発者のみなさんは世界中から参加しているとのことですが、Raideさんはどちらの出身ですか?

私はインドネシア出身です。インターネット接続が私の住む地域にやってきたのは2006年になってからでした。インターネットカフェに入り浸っていた時期にナルキッソスに巡り会いました。私が初めて出会った、エロ要素よりも物語性を重視したビジュアルノベルです。

・海外の方がオタク的トレンドにどのようにキャッチアップしているのか、非常に関心を持っています。お気に入りのアニメ・マンガ・ゲーム作品は何でしょうか?

自分の存在や認識、人間関係といったテーマを掘り下げるような作品が特に気に入っています。

ビジュアルノベル:ユメミルクスリ、ナルキッソス、ゆめにっき
ゲーム:ヴァルキリークロニクル、メタルギアソリッド1・2、.hack、.hack//G.U
マンガ:2001夜物語、ハチミツとクローバー、パラダイスキス
アニメ:キノの旅、輪るピングドラム

・かたわ少女以外に関わっているプロジェクトはありますか?

あるカナダ在住のライター・プログラマーとビジュアルノベルの開発をしています。
http://loveconquersallgam.es/

そのほか、アマチュアのビジュアルノベル翻訳プロジェクトの手伝いもしています。
http://amaterasu.tindabox.net/index.php?page=projects

・手がけられた作品はどこで見ることができますか?

完成作についてはAnalogue: A Hate Story があります。
http://ahatestory.com/

8月19日にその続編 Hate Plusがリリースされる予定です。
http://hateplus.com/

・今の絵柄に至った経緯を教えていただけますか? 影響を受けた作品やイラストレーター、アナログ・デジタルといった手法の好み、お使いのツール等……

アニメ調のキャラクターが好きです。等身については、リアルな3Dよりは多少デフォルメされたものが好みです。多くの美少女もののような、頭でっかちで胴の小さなものはちょっと違和感があります。一番最初に影響を受けたのは、杉崎ゆきるのD.N.Angelと、石川史の幻想水滸伝Ⅱ・Ⅲです。

紙を無駄にせずにすむ(環境に優しい)のでデジタルの方が好みです。使っているツールは、線画用にSAI、画像編集にPhotoshop CS6、画像管理にACDSee Proです。タブレットはWacom Intuos5 mediumです。

SAIの開発が止まってしまったようなので、セルシスのIllustStudioを使ってみたいのですが、こちらは英語をサポートする見込みはなさそうなのが残念です。

・日本のかたわ少女ファンへコメントをいただけますか?

かたわ少女のメッセージの一つは、生まれつきの障害や生まれた後の怪我によって、登場人物が完全ではなくなったとしても、それで彼や彼女の人生が破滅してしまうわけではない、ということです。障害を負っていても、彼らはそれぞれに事情を持ち、幸せを欲している人間たちなのです。その瑕疵によって彼らの人間性が損なわれることはないのです。この私たちの世界、そしてそこに生きる人々も、やはり完全ではありません。人類が生きながらえるために、日本、東アジア、地球全体が、特定の地域だけでなく、世界中に散らばる人々の理解と寛容と協調を必要とする課題に悩まされています。日本語を読むこともできない、いろんな国の「バカなガイジン」の集団が手を組んで、自分たちだけで日本風のエロゲを作ったことは、それ自体がすでに奇跡と呼ばれています。私から見れば、これは足がかりだと思います。このグローバル化された世界には、これよりもはるかに大きなことを成し遂げられるという希望があると思います。

夏コミお疲れ様でした&進捗など



翻訳チームのものです。

遅くなりましたが、コミケお疲れさまでした。
猛暑のなかスペースまでお越しくださったたくさんの皆様にお礼を申し上げます。

おかげさまで新刊・既刊ともに売れ行き好調で、既刊(Tomorrow/Today)のほうは持ち込み分完売となりました。

当日までお知らせしていなかったサプライズですが、今回は本家開発スタッフ、リリーのイラストを担当されたRaide(ライデ)さんがスペースに来てくれました。コミケに合わせて日本に滞在中とのことで、スタッフの方の直接参加が初めて実現した形となりました。
顔出しNGとのことでくまモン帽子とマスクという格好での参加でした。スペースの後ろの方にいたので、お気づきの方も多かったかと思います。

ポスターを持参するのを忘れてしまったのですが、代わりに急遽各種キャラのイラストを描いていただくなど、ピンチを救っていただきました。またサークル史上初のスケブ対応も行うことができました。ほとんどの方が華子をリクエストされていて、人気の高さを改めて感じました。

もう一人、かたわ少女ファンのLawlsさんが売り子を手伝ってくれました。(Tomorrow/Todayの奥付にサポーターとして名前が載っています)

お二人に深くお礼を申し上げたいと思います。

今回は以前にましてスペースに来る外国人の方が多く、コミケの国際化がいよいよ進んでいるのではないかと感じました。

2週連続になりますが、8/18のコミティアにも参加いたしますので、夏コミに来られなかった方はこちらの機会をお見逃しなく。

冬コミ参加については現時点では未定です。詳細が決まり次第ブログ記事にてお知らせします。



翻訳の進捗についても多くの質問をいただきましたが、現在は最初の下訳が終わり、見直しを進めている段階です。こちらの作業に予想以上に手こずっており、現時点では明確な見通しが立っていません。はっきりした進捗をお知らせできるまでは、まだしばらく時間がかかる見込みです。

長い間お待たせしており大変恐縮ですが、気長にお待ちいただけると幸いです。

2013年7月30日火曜日

かたわ少女1.1.1パッチ (Mac OS Xのみ)

 
かたわ少女1.1のMac OS X版にバグが見つかりました。フランス語でプレイ中にAct1のバッドエンドに到達するとゲームがクラッシュします。こちらのパッチを適用すると修正されます。

http://dl.katawa-shoujo.com/gold_1.1/[4ls]_katawa_shoujo_1.1.1_patch_[mac][E4951D8E].zip

なお、このパッチはOS X版のバージョン1.1にのみ対応します。他のバージョン(またはフランス語でプレイする予定がない場合)では適用不要です。

2013年7月24日水曜日

【夏のイベント情報】夏コミ・8月コミティア参加のお知らせ

本日ようやく入稿完了しましたので、公式にお知らせします。(本家ブログをご覧の方はご存じかもしれませんが……)

この夏、東京ビッグサイトで開催されるコミックマーケット84・コミティア105に、かたわ少女日本語訳プロジェクトとしてサークル参加いたします。スペース番号は以下の通りです。

コミケ:8/12(3日目・月曜) 東5 プ-46a  Webカタログ Twitcmap
コミティア:8/18 東6 の-15a

新刊は、開発スタッフ・海外ファンによる描き下ろしイラスト集 "Imperfect Spectrum" です。「不完全なスペクトラム」という名の通り、様々な色が今回のテーマです。

 
内容はB5 20Pフルカラー、頒価は300円の予定です。また、既刊 "Tomorrow/Today" も持参いたします。

なおこれまでの本と同様、一定期間後にオンライン版を公式ウェブサイトにて公開予定です。ご了承ください。

参加アーティストは以下の方々です。
Ambi07
Aura
climatic
Doomfest
Ge-B
kamifish
konflikti
Mike Inel
moekki
Monica Ray
Raide
weee

皆さんのご来訪をお待ちしています。

2013年7月8日月曜日

かたわ少女1.1リリース


公開から1年半、かたわ少女初のアップデートがリリースです! これはフランス語訳プロジェクトの完了にともなうものです。みなさんもモニターにハイタッチして、がんばってくれた翻訳チームにお祝いをしてください。このほかにも誤字修正など、いくつかの小規模な更新を行っています。1.1はKSの既存の公開版を置き換えるものです。もし何らかの形でKSを再配布している方は、こちらのバージョンに差し替えていただけると幸いです。また、他の翻訳プロジェクトも鋭意作業中です。いずれも完了の折には今後のKSのアップデートで統合していく予定です。

バージョン1.1の主な更新点は以下の通りです。
  • フランス語対応
  • BGM "Red Velvet"を新録版に差し替え 私たちの友人Japesによる甘美な生サックス演奏入りです
  • OSX向けエンジンをバージョン6.15にアップデート Retinaディスプレイとフルスクリーン表示に対応
新バージョンはかたわ少女公式ウェブサイト、または以下のリンクから直接ダウンロードできます。

Torrent: Windows | Mac OS X | Linux
DDL: Windows | Mac OS X | Linux

2013年6月24日月曜日

かたわ少女新バージョン、リリース間近 祭りはパリにて

かたわ少女1.1を7月4日にリリースします。大きな新規要素はフランス語対応です。数々のかたわ少女翻訳プロジェクトのうち、一番乗りで完成に至ったものになります。翻訳はフランスのアマチュア翻訳チーム、Kawa Softによって行われました。同チームは7月4日から7日までパリで開催されるJapan Expoに出展します。彼らからのコメントはこちらです。



みなさんこんにちは、Kawa Softです!

私たちの目標は、あらゆるフランス語話者に向けてビジュアルノベルを広めていくことです。私たちはVNを翻訳しています -- 必ずきちんと許可を得た上で、合法的に行っています。国際色豊かなVNコレクションを用意するというアイディアは、私たち全員とても気に入っています。Kawa Softは非営利団体で、(赤字を免れて)ささやかながら利益が得られた場合は、コンベンションへのブース出展費用や、物理媒体の製作費用のみに使っています。

かたわ少女はKawa Softで扱った中で最も大規模なプロジェクトです。そして今回は何か特別なことをしたいと考え、全60ページのかたわ少女イラスト集、そしてデジパック仕様・フルカラーマニュアル付属のゲームCDを用意しました。さらに、ゲームCDにオリジナルサントラCDを同梱したデジパック仕様のパッケージに加え、イラスト集と特典の布バッグつき「コレクターズエディション」もあります。 もちろん、イラスト集は発売後にオンラインで公開予定です。

もう一点、いくつかのゲームについてくじ引きを行う予定ですが、詳細についてはKawa Softのウェブサイトで公式に発表します。今はJapan Expoの準備でてんてこ舞いなのです。同じ理由で、現時点ではお見せできる写真がありません。いずれも製作中なもので……でも写真が準備でき次第、私たちのブログに掲載します。

詳しい情報についてはこちらのリンクをご覧ください。(このページ以外はすべてフランス語になります。すみません。)

以上になります! 現地スペースでお会いしましょう。

 メルシー、
 Kawa Soft スタッフ

2013年5月9日木曜日

COMIC1 / COMITIA お疲れ様でした




翻訳チームの者です。
ゴールデンウィーク中、COMIC1 / COMITIAにてサークル出展して参りました。遅くなりましたが、お越しいただいた皆様にお礼申し上げます。
展示用に日本語訳テキストを仕込んだ本編(Act2冒頭)のプレビュー動画をタブレットで流していたのですが、お気づきの方はいたでしょうか……

翻訳の進捗について大変多くの方からご質問をいただき、期待の大きさを実感しています。ご期待に少しでも早く応えられるよう、鋭意努力していきたいと思います。

現在も随時査読を進めていますが、下訳と違って査読は1回やれば終わりというものではないため、明確な進捗をお知らせするのが難しい状態です。

長期的な見通しとしては以前の記事でも書いた通り、向こう1年程度で完成させたいと考えています。こちらは今のところ変更はありません。

その他のご質問で主なものをピックアップすると、
  • どういう形でリリースされるのか:現在公開中の完全版に対するバージョンアップで日本語テキストがマージされる形になると思います。
  • 物理媒体でリリースされるのか:現時点では未定です。
  • かたわ少女2の記事は本当なのか:冗談です。日付をご確認ください。
「昔ネットで話題になったよね」といった反応もあり、そういう意味での知名度はやはり高いのだなと感じました。

進捗については大きな区切りに達した段階で随時お知らせしていきますので、折に触れ当ブログをチェックしていただければ幸いです。

よろしくお願いします。

2013年4月7日日曜日

[イベント情報]COMIC1☆7・コミティア104 参加のお知らせ

翻訳チームの者です。

イベント参加のお知らせです。

ゴールデンウィーク中に開催される同人誌即売会に以下の通り参加します。
頒布物は昨年の冬コミと同様、イラスト本「Tomorrow/Today」です。
いずれも会場は東京ビッグサイトです。

4/28 COMIC 1☆7 スペース:そ02a (東5ホール)
5/5 コミティア104 スペース:ゆ28a(東6ホール)

冬コミに参加できなかった方も、よろしければこの機会に手にとっていただければと思います。

翻訳チームの者がスペースにおりますので、進捗などご質問があればお気軽にお声がけください。

よろしくお願いします。

2013年4月1日月曜日

かたわ少女2 開発中止のお知らせ


創造性について唯一不変といえるものとは、不変なことなど何もないということだ。私たちFour Leaf Studiosの誰もがそれをよく分かっている。かたわ少女の製作を通しても、私たちはプロジェクトの大きな構想について、そしてささいなディテールについても、何度も心変わりをしてきた。KSのリリース後、私たちは感情的にも、創造的にも、ついにやり遂げたという気分でいた。これ以上KSにとどまっていたいとは思わなかった。しかしこれからどこへ向かえばいいのか?
1年にわたる自己分析の結果、私たちはこの1年の間に有意義なことを何もしていなかったことに気づき、軽いパニックに陥った。そこにかたわ少女2が再浮上した。私たちは運命を受け入れ、それに向かって突き進むべきなのだろうか? 私たちにやる気はあるのか? もう一度新味のない設定で少年少女のドラマを書くことに戻って、創作意欲を見いだせるのか? 不毛な議論と、多くの煮え切らない意見の果てに、私たちは人類が知る最強の開発手段の使用を決断した--投票である。全員がKS2の開発に賛成か、反対かを投票する。そしてこの件について誰が何を言ったかに関わらず、その民主的な決定に従うのだ。

すべての票が『賛成』であったと分かったとき、きっとみんな驚愕しただろう! 私自身も信じられなかった。自分たちが定めた最大のルール、まさに不変と思っていたルールに対して、私たちはあっけなく心変わりをしてしまったのだ。かくして、そうなった。半分興奮し、半分恐怖しながら、私たちはKS2の製作に着手した。でもどうやって? それはどんなものになるのか? どんなものにすべきなのか?

それは失敗作になるだろう、ということがやがて明らかになった。

 
大勢の人の間に統一されたビジョンを見いだすのは困難だ。料理人とスープに関することわざは、ビジュアルノベルとその開発者にもそのまま当てはまる。KS2の全体的アプローチが最初の争点だった。私は、本質的に同じものを作るのでない限り、続編を作ることに意味はないと主張したが、deltaはその場でKSを最初から作り直すくらいなら次のオクトーバーフェストでミーシャのコスプレをするほうがましだから辞めてやる、と脅しをかけてきた。Surikoは頭をひねったつもりで、女の主人公とガールズラブ要素を盛り込むという妥協案を示したが、彼の下心は他の全員に見透かされていて、即座に却下された。とはいえ、誰も主人公としての久夫に思い入れがあったわけではなかった。5人のメンバーがそれぞれ独立に、久夫の非業の死を中心に展開するプロットを提案した。あいにく、誰もが久夫よりも嫌ったのはそのプロットの方だった。

 
ハイ・コンセプト的な方針をとった途端にバッドエンドを迎えたため(Silentcookは今の話題を考えれば完全にばかげていると評した)十分にしっかりした登場人物を導入できれば、物語が自然と進んでいくのではないか、と私たちは考えた。そういうことができるクリエイターがいる、と聞いたことがある。私たちについて言えば、膨大な量の萌え属性、フェティシズム、そして薄衣をまとった夢のガールフレンドはあっという間に手に負えなくなり、しかも誰もが自分の嗜好が最高だと言って一歩も譲らなかったので、合意に至るのは困難だった。議論はすぐに実際の企業内政治に似たようなものになり、メンバー同士がお互いのばかばかしいアイディアを支持するよう共謀し、中傷し、脱退すると脅しをかけ、果ては恐喝までする始末だった。


ビジュアルコンセプトもうまくいかなかった。KS1で余った未使用のキャラクターデザインが山ほどあり(そのうち半分は、開発者たちがこれといった理由もなく続編にねじ込もうと思っていたものだ)、アーティストたちは秀明や治五郎のような古典的なキャラクターの事実上の後継者を作れるチャンスに飛びついた。deltaはmoekkiがキャラクターデザインをすると聞いて辞めてやると言い出したが、私たちが彼女はkamifishの厳しい監督のもとで仕事をさせると念を押したところ、多少落ち着いてくれた。キャラクターデザインの工程は多くの怒りと恨みを引き起こし、ついには出来上がったデザインが一つ残らず却下される結果となった。先行きは明るくなかった。

 

最後の捨て身の切り札として、私たちはチーム常駐の最小公倍数であるclimaticを頼った。彼はKS本編に欠けている特定の『お約束』を補うファンディスクを作るべきだと提案した。これならもっとも幅広い客層へのアピールになる。そのコンセプトとはたとえば、海水浴イベント、プールイベント、温泉イベント、メイドカフェと化した上海、猫耳っ娘、犬耳っ娘、狐っ娘、バニーガール、羊っ娘、可愛いけどちょっとツンデレな妹キャラ、倒錯趣味でオタクの親友キャラ、ストーカーキャラ、ハーレムエンド、ハーレムエンド、ハーレムエンド、お化け屋敷、説明のつかない超能力、別の次元、メカ同士のバトル、魔法少女、ゾンビ、ファンタジーMMORPG、そしてピエロなどだった。

この豪華客船のような巨大プロジェクトには、比喩的な意味での氷山さえ必要なかった。自らの不可能性のために沈没してしまったのだ。残ったのは、何やかやの理由で却下された多くの、あるいは大量のコンセプト、たくさんの壊れた友情、そして私の人生で最悪の1ヶ月の記憶だ。かたわ少女の続編に値するビジョンを探そうと本当に最善を尽くしたものの、残念ながらかなうことはなかった。申し訳ない。

さて、ここからどこへ向かえばいい? 私たちはこれからKS2をまるまるすっ飛ばして、このままかたわ少女3を製作することに決定した。今の企画の進み具合からすると、さまざまな素晴らしい要素とストーリーを盛り込んだ、素晴らしいものになりそうだ。私たちはこのプロジェクトに本当に張り切って取り組んでいるし、自信を持っている。皆さんも同様だと願っている。その件についてはあと1年くらいで詳しくお知らせできる予定なので、お楽しみに。

- Aura

 (この記事は2013年4月1日に英語版開発ブログで公開されたものです)

2013年3月30日土曜日

[翻訳記事]かたわ少女、Anime Expo 2013に参加

(本家ブログ記事の翻訳です)
 

今年もそんな時期になりました。昨年と同様、かたわ少女開発スタッフ数名がロサンゼルスコンベンションセンターで7月4日から7日まで開催されるAnime Expoに参加・出展します。

参加するスタッフはWeee(イラスト担当)、Gebyy(イラスト担当)、Nicol(音楽担当)、そしてSuriko(ライター、プロデューサー)です。あいにく今年はイラスト本の頒布はありませんが、もし現地にお越しの際はぜひスペースまで遊びに来てください。スペース配置が公開されたら、この記事に追記します。

- Suriko

2013年3月11日月曜日

翻訳の進捗:下訳完了のお知らせ

翻訳チームの者です。

前回の記事から大変お待たせしてしまいましたが、現在の進捗をお知らせします。

このたびようやく全セクションの下訳が完了しました。手前味噌ですが記念すべきマイルストーンに到達できました。完全版の公開から約1年2ヶ月と、大変長い道のりでした。

ここから先は誤訳修正/文体の調整、誤字脱字の訂正、実プレイによるデバッグを経て開発元への提出~リリース、という段取りとなります。こちらもかなりの長丁場になると思われますが、下地ができている分、多少は楽な気持ちで望めるのではないかと思います。

他者の訳文の査読・修正というのはなかなか負担の高い作業になりますので、次の完了時期についてはまだ明言はむずかしいですが、できればプラス1年程度で完了させたいところです。

なお、作業を手伝っていただける方は随時募集しております。
もし英語やローカライズ等について、腕に覚えのある&お時間に余裕のある方がいれば、ぜひ翻訳チーム(ksjpproject@gmail.com)までご連絡ください。

今後も随時進捗をお知らせしていきますので、よろしくお願いします。

2013年1月6日日曜日

年始のご挨拶、冬コミ参加レポート

翻訳チームの者です。

ご挨拶が遅れましたが、今年もよろしくお願いします。

現在の進捗は下訳89%となっています。年末にかけてペースが落ちてしまいましたが、挽回していきたいと思います。

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また前掲の通り、冬コミに参加してまいりました。ご来訪いただいた皆様、ありがとうございました。

これまでにもまして多くの方に本を手に取っていただき、また翻訳状況や「いつ日本語完全版がリリースされるか」といった問い合わせ、期待の声を聞くことができました。参加以来初めてですが、メッセージ付きの差し入れもいただいています。(おいしくいただきました……)

webサイトで日本語体験版/英語完全版が無償ダウンロード可能、という点をご存じない方が意外と多いことも判明しました。その場で直接説明してはいますが、何事も当然と思わずにしっかり広報するのが重要だと感じました。

皆様からの反響にチーム一同大いに励まされました。今後も完成に向けてがんばっていきたいと思います。

幾人か海外の方も来ていました。
  • ・オーストラリアから日本旅行中の人
  • ・トルコから留学中で翻訳の勉強をしている人
  • ・AXとkickstarterで本を購入済みの人
  • ・アメリカから旅行中の華子ファンの人
熱意のある方というのはいるものですね。併せてお礼申し上げます。

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前の記事にもありますが、Tomorrow/Today英語版のPDFファイルが公開されました。イベントに足を運ぶのが難しい方はこちらもご覧ください。

今後のイベント参加予定ですが、4月~5月に開催のイベントに参加を考えています。

直接イベントで声をかけていただけると大変幸甚ですが、既刊完売以後の参加見通しは立っていないため、もしご意見/ご感想がありましたらブログのコメント、あるいはメール(ksjpproject@gmail.com宛)にてお知らせいただければと思います。

2013年1月4日金曜日

365日後


例年、私たちはプロジェクトの設立記念日である1月4日の「お祝い」を何らかの形で行ってきた。ブログで前年の振り返りを行うのがいつものパターンだ。今ではこの日がゲームのリリース記念日にもなったので、もう一年その前例に従うちょうどいい理由になる。予想通り、かたわ少女をリリースしても私たちの手が離れることはなかった。去年の大半はその余波を受け止めることに費やされた。

熱狂に応えること

かたわ少女のリリースが起こした波は、どういうわけか昨年いっぱいまで持続した。実体のあるファンダムがKSを中心に存在しているという事実は驚くべきものだ。これだけのものを得られたビジュアルノベルはそう多くないしたくさんの人が気に入ってくれたことはうれしく、そして驚いている。人々の反応や情緒的な反響とは別にして、印象的だったのはかたわ少女にインスパイアされた数々の新しい創作プロジェクトの立ち上がり(それとファン創作)、そしてインターネット上に生まれた新しいファンコミュニティだ。個人的なやりとりもずいぶん増えた。KSが自分の琴線に触れたという話を多くの人が私たちに寄せてくれたが、私にとって一番大きなインパクトがあったのは、プロジェクトが生まれるきっかけとなったコンセプトアートを描いたRAITA氏のコメントだった。私たちの根気強さと、その結果についての彼自身の喜びについての親切な言葉を受けて、自分が認められたという気持ちになった。他の誰の言葉でも、こんな気持ちは得られなかっただろう。面白いよね? これで、円環は本当に閉じたという気がした。

記念品

ささやかな記念品ということで、2012年夏の4LSイラスト集 "Tomorrow/Today" 電子版をリリースした。4LSスタッフと友人達による、かたわ少女の32ページのフルカラーイラスト集になる。初出は6月にロサンゼルスで開催されたAnime Expo、その後日本語版が12月に東京で開催されたコミックマーケットで頒布された。こちらのリンクから電子版をダウンロードできる。

これは真の終わりではない

2013年はどうなるのか? さて、少なくとも2012年中(またはそれ以前から)構想・開発初期の段階にあったいくつかのプロジェクトについて、公表したいと思っている。そうしろというプレッシャーもあったし、少なくとも私自身にとっては固まりつつある。それに外部の人と関わり合うのは楽しい。期待していてほしい。成り行きによっては、4LSが人員募集をする必要が生じるかもしれない。最後に、今年も新しいイラスト本が発行されても驚かないでほしい。現時点での見通しはこんなところだが、今年何が起きるかなんて誰にも分かったものじゃない。それが良いこと、大切なことばかりになってくれるよう願いたい。

- Aura