2011年4月19日火曜日

コミティア96(5/5) 参加のお知らせ

CDジャケット(表)

同人誌表紙

翻訳チームからのお知らせです。

5月5日開催のコミティア96(東京ビッグサイト)に、かたわ少女日本語訳プロジェクトとしてサークル参加いたします。スペース番号はた12aです。

出展物は以下の通りです。

1. かたわ少女体験版CD

Act1V4(Win/Mac/Linux各インストーラ)を収録したCDです。特別デザインのジャケット絵付きトールケースのパッケージとなります。

ジャケットは日本語版、英語版のリバーシブル仕様となっています。(英語版ジャケット、レーベルデザインはdelta氏にご寄稿いただきました。)

製作期間の都合で先にV5がリリースされてしまいましたが、どうぞご了承ください。日本国内向けには問題ないかと思います。

2. かたわ少女プレイヤーズガイド

かたわ少女の始まりからFour Leaf Studios結成、体験版リリース、そして日本語訳リリースまでに至る、これまでの足跡を概観するガイドブック的な同人誌(B5, 20P)です。

上記の文章に加えて、Aura氏による序文、Four Leaf Studiosのイラストレーター各氏によるカバーイラスト・全ヒロインの描き下ろしイラストを収録しています。必見です。

頒価はCD・同人誌合わせて500円の予定です。


かたわ少女完全版のリリースまでしばらく時間が空く中、翻訳プロジェクトによる日本国内でのプロモーションを行いたいと思い、今回のCD・同人誌作成に至りました。

普段より開発者ブログ等をフォローしてくださっている方にはおなじみの内容が多いかも知れませんが、記念品またはファンアイテムとしてご覧いただければ幸いです。

また、かたわ少女を初めてプレイされるという方には導入としてちょうど良いかと思います。


よろしければどうぞスペースまでお立ち寄りください。


今後に関しては一応コミケに申し込み済みです。進展は随時、当ブログにてお知らせしていきます。


これをきっかけに国内でもかたわ少女の同人誌が増えたりすることを密かに期待しています……

2011年4月16日土曜日

かたわ少女 Act 1 v5 リリース!



KS翻訳チームがどれだけサイコーか、言ったことありましたっけ?

かたわ少女Act1 V5では3つの新しい翻訳が追加されました。ロシア語Honyaku-Subs提供)、ドイツ語ハンガリー語です。これにより現存する翻訳プロジェクトの完成率は結構いい数字になりました。そしてAct1は8つの言語、9つの異なるローカリゼーションが行われたことになります。非常にすごいことです。

V5への追加要素は3つの新しいローカリゼーションのみとなります。これまでのバージョンで遊んだことがあって、これらの言語を理解しない方には推奨されません。英語およびその他の言語について、いくつかの誤記やエラーの訂正が行われていますが、微々たるものです。全バージョンの変更点一覧についてはchangelogをご覧ください。みなさんがこのリリースを楽しんでくださることを、そして3つの翻訳チームのプロジェクト完遂を温かく祝ってくださることを願っています。

以下のリンクからAct1 V5をダウンロードしてください。

直接ダウンロード:
Torrent:

これまで同様、このリリースは過去のリリースを置き換えます。新しいtorrentのシード支援をお願いします。また、ホスティングについて支援してくれたDavisに深く感謝します。

2011年4月10日日曜日

神の言葉

みんな「公式」が大好きだ。少なくとも、ある作品についてネット上で議論したがるほど入れ込んでいる人たちはそうだ。そして確かに、議論の余地なく公式なコンテンツに何かを追加していくのが一番いいに違いない。それが原典なのだし、良いものが一つあるより、良いものがたくさんある方がいいに決まっている。その追加分が公式でないなら、それは「本当には起きていない」のであって、残念ながらそれ故に価値がない……そうだろう? 実は私個人はそう思っていないけど(ここまで読めばわかるよね)、このブログ記事の主旨はそこじゃない。

何のことかというと、うちの掲示板のこのスレッドに不機嫌丸出しのレスを衝動的に書き込んでしまった。そのあとになって考えた--どうしてみんな「神の言葉」をそんなに気にするのか? 確かに私の態度は良くなかった*けど、「俺たちは(略)釣りネタかましたり、ウソついたり、気が変わったり、その場の思いつきをしたりすることで有名」というのはいったいどういう意味なのか?

1. 釣り

ファンのみなさんの期待をもてあそぶことができる、というのは私たちの活動の余録の一つといえる。正直に言うけど、完全版には必要な要素はすべて含まれると考えている。それ以上の情報については、割り引いて聞いておくべきだ。余談だけど、いつも釣りネタを常時かましている、あるいはあまり頻繁にやっていると、効果がなくなってしまう。なので私たちはやりすぎないようにしている。

2. ウソ

確かにただの意地悪だ。でも本当のことを隠すため、あるいはばかげた質問への腹いせに、うそをついたことはある。結局最後には1番で述べた内容に落ち着くけど。

3. 気が変わった

これはしょっちゅう起きる。もう公開された部分についてはあまり起きないことを願いたいけど。(そう言う部分は「もっとも公式度が高い」ので。気にする人には、ね)私たちは何か有意な形でAct1の内容を変えるつもりはない。でもその必要があると思ったときは、そうするだろう。未公開の部分については、まあ……もうちょっと気が変わることが少なければうれしいんだけど、とだけ言っておこう。ありがたいことに、現時点では今までよりはそういう心変わりが起きることは少なくなったようだ。

4. その場の思いつき

質問を受けたときや、たまたま何かを思いついてしまったときに、ストーリーと全く関係のない事柄について述べることがある。これは他の開発チームの面子があえて否定するまで、大筋で「公式」ということになる。でもそんなものに意味なんてあるだろうか? だいたい本当に意味があるなら、最初からゲーム本編に含まれているんじゃないか?

まとめると、一般に存在する「公式」に対する(私にしてみれば度を過ぎた)こだわりの他に、二つの大きな問題がある。

・かたわ少女はよその作品と違って、外部世界をがっちり構築するようなことをしていない。私たちが語る物語の外側により大きな世界があるかどうか、正直そんなことは気にしてない。もし気にしていたら、その世界がもっと魅力あるものとなるように努力していたはずだ。これはスタートレックや指輪物語、それどころかFate/stay nightでさえない、ほんの小さなお話だ。作品中の一貫性を保つという意味では、公式であることについて気を使っているけど、それ以上はあまり気にしていない。


・そもそもその外部世界なるものの中心にある物語だって、表に出ている分量はまだ非常に少ない。だから私たちが何を言ったとしても、常に変更になる可能性がある。

たとえば、Richter Bromontは山九学園の校長をルチャドール(訳注:格闘技ルチャリブレの選手)として描いたが、以前私はその描写は正しいと述べたことがある。だとしても、今の時点ではゲームに何の矛盾も生じない。(校長本人はゲーム中に登場しないし、その描写が正しいかどうか判断できるほど詳しく言及されてもいない)だから全くのうそをついたというわけでもない。私は単に面白いと思っただけだ。でもこの一言だけで、その描写は「公式」、作品世界における「事実」となるのか? そういうことになるんだろう。ただ、もし作品中に校長を登場させることになった場合は、なんというか、もうちょっとまともな人物として描かれるだろう。実際、初期のシナリオ稿では校長の出番もあって、その校長は女性だった。そっちの方が私の思いつきの発言よりも公式度が高くなるだろうか? でもどっちみち、もうゲーム本編には登場しない。ことの本質は、作品中で示されたものの他に、客観的な現実なるものは存在しないということだ。作品そのものにしても、書き手を信用するしかない。当然に見えるかも知れないが、私は最近うみねこのなく頃にを読んだ。そしてその作品世界がそれなりに考証が行われたものだとしても、それはやはり架空のものであって、現実と同じように全ての辻褄が合っている必要はない、ということをうみねこファンが受け入れられていないのを目にした。**そんなうみねこが文章として良い出来なのかどうかは、もちろん読者が判断すべきことだ。そしてあることがらがはっきりと説明されていないとしても、「決まっていない」という状態が公式となることは全く問題ない。映画「インセプション」のエンディングがいい例だ。それに対する反発も含めて。

さらに二次設定という問題もある。東方の作品世界はほとんどが二次創作による設定だ。そのうちの何かを公式と信じる人が十分に多ければ、いずれその設定が「真実」とされることは間違いない。ファン層は自分の手の内に物事を取り込む。それが本編の物語よりも面白かったとしたら、誰が文句を付けるだろうか? だから私は、いろんなコメントをかき集めてより大きな世界を構築しようとする人たちをとがめることはしない(それが楽しいのであれば)。ただ、私たちはその活動を追いかけるほど気にはかけていないというだけだ。本編の内容を管理するための労力もすでに限界に来ているのだから。私はゲーム本編において意味のある内容はもう収録されているか、今後必ず収録されると考えている。必要以上に大きな世界を作り込む必要はない。多くの商業作品と違って、私たちは続編を作ったり、スピンオフのための仕掛けを用意したりすることを強いられているわけではない。運が良ければ、こうした本筋でないアイディアが一つの架空世界へとまとめられる可能性はある。でも期待はしないでほしい。

—delta


* 書き手を「神」と呼ぶのはちょっとバカバカしいのではないかと思う。tvtropes発祥であることはもちろん知っているけど、だからといって何かが良くなる訳じゃない。tvtropesなしにはまともな議論を全く行えず、ここ最近はあのキャメルケースで書かれたダジャレをみんなが使っている始末だ。あれがいつから始まったのかはどうでもよくて、tvtropesのおかげで実にウザい、目にしたくない、ムカつく代物になった。

** 今にして思えば、うみねこは「釣り、ウソ、心変わり、その場の思いつき」が物語の核心だった。まさにそこがいいと思っている人も多かったみたいだ--白状すると、私もそう思っていた。それ以外は微妙だったけど、単なるブログ記事の範囲を超えるので触れるのはやめておく。

2011年4月1日金曜日

エイプリルフールのお知らせ:今後の展開

(訳注:4/1に間に合わず申し訳ありません。)

完全版のリリースを目前に控えていますが、今こそこれまで秘密にしていたいくつかの事柄について話すときでしょう。

私たちの進捗報告を追いかけてきた方なら誰でもご存じのように、私たちはゲーム全体を無料で公開することを公言していて、それはこれからも変わることはありません。それが私たちの高潔で根源的な理念の一つだからです。しかし現代のインターネット環境では、収益を上げる多くの機会が存在していることに私たちは注目しており、これを利用しない手はないとも考えています。
そこで、かたわ少女を真剣に受け止めてくれている方々、そのすべてを楽しみたいという方のためのアカウントサービスを、ここに満を持してお知らせします。

通常のもの以上を求めているプレイヤーはアカウントを取得することで、すぐに追加要素にアクセスできるほか、拡張コンテンツも参照可能になります。

さて、アカウントユーザーがアクセスできる追加要素とはどのようなものでしょうか? その主なものをいくつかご紹介します。

1.追加ストーリーへのアクセス

これは大きな目玉です。追加オプションでアンロックできるシーン(2をご覧ください)に加え、ゲーム本編では見られないキャラクターが登場する、より大きなストーリーを用意しました。メインヒロインの各ルートほど長いものではありませんが、それらと同様に、攻略可能なキャラクターとマルチエンディングのある、完結した物語をフィーチャーしています。これらのストーリーはアカウントサービスを通してダウンロードできるパッチとして提供される予定です。完全版のリリース後しばらくしてからの提供になるでしょう。現在4つのストーリーを製作中ですが、そのうち二人のキャラクターをご紹介します。

カタヤマ リカ

「じゃあ……私たちは同じだ……って、そう言いたいの?


リカは山久学園の2年生で、左心低形成症候群という、久夫のそれと近い心臓疾患を抱えています。治療をしなければ命に関わるものですが、リカは幼いときに、心臓の再建手術を受けています。とはいえ身体は虚弱で、また常に合併症の危険と隣り合わせの状態です。
度重なる入院生活は彼女を独りぼっちにしてしまいましたが、それでもリカは決して寂しさを感じているわけではありません。ときに意思の疎通が効かなくなり、人ごみの中でさえ物思いにふけりがちです。人びとは彼女が内気であると受け取りがちですが、実際は、リカはどんな人とも上手くやっています。とはいえ、リカは滅多に積極的な関係を築こうとはしません。
久夫は保健室で偶然リカと出会い、2人はお互いに自分と向き合うきっかけを見つけます。リカの高飛車な振る舞いと、自分の症状に対する表向きの余裕は、久夫の成長へのきっかけとなるかもしれません。しかし思いがけない出来事が二人の関係を驚くべき方向に巻き込み、困難のときが始まります……


リカのシナリオはSilentcook、アートワークはmoekkiが担当しました。


エノモト サキ


「なんかカッコイイこと言うね、でもカッコつけすぎるのも善し悪しだよ

サキは脊髄小脳失調という退行性疾患にかかっており、徐々に筋肉の制御が失われるなどの症状に苦しんでいます。今は松葉杖で体のバランスをとっていますが、いずれは歩くことや日常生活、食事や呼吸さえもできなくなってしまいます。回復の希みも無いまま死ぬことを運命づけられ、サキは葛藤し続けてきました。彼女は恐ろしい退行性の障害を抱えて日々を過ごしていますが、それでもサキは普通の女子高生と同じようにお洒落で社交的です。サキはその症状による不自由とも上手く付き合い、さらに久夫と出会った美術部での活動のように、細かな運動能力が必要な活動に臨むことでそれに立ち向かおうともしています。久夫はサキを、その途方もなく快活で複雑な性格から、愛嬌はあるけれど厄介な人物だと考えます。新しい春のファッションについて笑いながら話していたかと思うと、自分の辛い症状に対する苦しさを吐露し、それでもそのまぶしい笑顔を絶やさないのです。しかしそんなおおらかなサキでさえ、決して人に伝えることのない何かを抱えているのです……

サキのシナリオはAura、アートワークはweeeが担当しました。


2.ボーナスコンテンツ


「どちらでも通るだろう」
・かわいかった
・かわいくなかった
・お前かわいいな



「選んで、ひっちゃん! 私たちのどっちにする?」
・どっちも選べないよ、こんなのやめようぜ
・本当に好きなのは静音だ
・ごめん静音、ミーシャが一番かわいい
・どっちも選べないよ、二人ともってのはだめか?


少額の1回限りの支払いをすることで、ゲーム中にアカウントユーザーのみが選べる選択肢が追加されます。アンロック可能な選択肢は、そのシーンに小さな変化を及ぼします。たとえば追加のイベントCG、あるいは追加シーンや裏設定などです。これらはその選択肢でしか見ることができません。もちろん、これらはメインのストーリー展開にはまったく影響はなく、必須ではありません。


3.限定グッズ



アカウントサービスの開始と同時に、ファンの皆様にTシャツや抱き枕、ポスターなどを販売するオンラインショップ「Four Leaf Studios webストア」がオープンします。アカウントユーザーは一般ユーザーよりも通販処理が迅速に行われ、アカウントユーザー限定の特典やアイテムも入手できます。


4.プレミアム特典


ここまでの進捗を破棄してもよろしいですか?

通常のゲームでのセーブとロードはできなくなります。代わりに、『図書室』オプションによって好きなシーンへジャンプすることができます。セーブ・ロード機能はマイクロペイメントで料金を支払ったアカウントユーザーのみ使用できます。また、ロールバック機能は一行ごとに料金を支払うことで使用可能になります。(もちろん、リードバック機能は引き続き無料で使用できます)


5.広告非表示


「私、サントリーのフレッツォアイスクリームのラズベリーとビターメロン味がとても好きなんです」

プレミアムユーザーはゲーム中のテキスト内にランダムに挿入される『広告テキスト』が表示されなくなります。また、CG内のタイアップ広告も非表示にすることができるようになります。

KSプレミアムアカウントは、完全版リリースの時点では一部地域を除き全世界で利用可能です。様々なサブスクリプションレベルがあり、非常に魅力的な価格で、1回限り、または月単位で購入できます。追加要素や4LS webストアでの買い物は、アカウントにひも付けられた「かたわポイント」で支払います。これは個別に購入するか、毎月の自動課金で入手できます。100かたわポイントはおよそ5米ドルです。(サブスクリプションレベルと地域により異なります。)これらの仕組みはValve社の協力によって実現しており、かたわ少女はSteamプラットフォーム上でリリースされます。




なぜ私たちがKSとお金についての考えを180度変えたのか、不思議に思っている方もいるかと思います。それは、ようやくそのお金の良い使い道を見つけたからです。私たちの多くは、人生の中で何か大きな、素晴らしいことを成し遂げるのに良い場所を見つけました。そしてそれが今まさに実現します。Four Leaf Studiosは本物の実在のスタジオになります。かたわ少女の先を越えて、ビジュアルノベルの世界で冒険を続けようとしています。私たちは実体のあるスタジオをデンマークのコペンハーゲンに設立しようと考えています。KSが完成したら、実際に製作会社を設立し、開発者のほとんどを移動させて更なるプロジェクトに取り掛かるつもりです。言い換えれば、私たちはもっと大きな一歩を踏み出し、本気でインディーズゲーム界に嵐を巻き起こします。今後の展開、KSリリースの前と後の両方に是非ご注目ください。将来に向けてとてもイケてるアイディアを暖めています。


ここまで読んでいただきありがとうございました。私たちと同じようにこのお知らせを喜んでいただけたなら幸いです。