2010年10月29日金曜日

Traduttore = traditore

タイトルは訳すと「翻訳者=反逆者」です。みなさんどうも。Silentcookです。またキーボードの前から、編集作業をさぼってブログ記事をお送りします。燃え尽きるのを回避するために一息ついてます。すみません。これ終わったらすぐに作業に戻るんで。マジで。

最近、VN界隈で本当にたくさんの翻訳活動を見かけます。最初は「VNコミュニティ」と書くつもりだったけど、気が変わりました。思い出してみれば、コミュニティというほどたいしたものじゃなくて、「VNに関わることをする」くらいしか参加の条件がないからです。と言うかこの私だって入れてもらえたわけだし。

この少々やっかいなお題について少し思うところを述べようと思います。


「翻訳」と言う言葉の意味は「絶対に失敗する」です。

いや冗談で言ってるんじゃないですよ。そういう心構えを持ってもらいたいんです。

ある一行の文章の訳し方は、それを訳す人によって違います。あなたがある文を直訳するか、自然に訳すか、自由に訳すか、どれかに決めたとしましょう。どれを選んだとしても、世の中には残りの二つの訳し方を選んだ別の二人がいて、この上なくはっきりとその訳し方は間違いだと指摘してくるのです。

そして同じように、読者にもそれぞれ好みのスタイルがあります。あなたと同じような考えを持っているけど、完全に同じではない……という人もいます。そして琳の台詞を目にしたら、あなたはさめざめと泣く羽目になるでしょう。

実際に翻訳者としての技量を考える前でさえ、これだけの難題があります。混乱を避けるために、話の前提として翻訳者は翻訳元と翻訳先の言語のどちらか、あるいは両方をネイティブに話すということにします。翻訳先の方が望ましいですが。そうでない場合については話したくないです。

その前提の上で、仮に翻訳者が十分な実力を持っているとしても、元の文章自体が翻訳されたものだった場合を考えてみましょう。この惨状をさらにややこしいものにしてしまうことになります。

困難はまだあります。以前、物書きというのは書き手の頭の中に浮かんだ絵を「翻訳」しようとする試みである、という興味深い指摘を読んだことがあります。このプロジェクトの数年間で私が見聞きしてきた苦労の量を考えれば、これは不完全なプロセスと呼ぶしかありません。

ところで、KSの翻訳に関して言えば、幸いなことに私は元の文章を書いたライターたちと一緒に作業し、質問をすることができます。でもたとえば、奈須さんや田中さんに連絡を取るというのはちょっとやっかいかも知れません。

(ちょっとそこの人、「不幸なこと」って言いましたか。そこには後で触れるので黙っててください。)

早い話、真っ暗闇の中を手探りして回るような作業をしなくてはいけないわけです。おまけに、大多数の人はあなたの成果の出来ばえに不満を持つことが確定している。じゃあどうしてわざわざVNの翻訳なんてするのか?

その問いに対する答えは二つしか思いつきません。当たり前の答えに見えたらごめんなさい。自分がやりたいから。そして読者層が広がるからです。

やりたいから、というのはより自己中心的な理由ですが、VN翻訳者にとっては最も重要です。わざわざ時間を費やして何かを訳すというなら、少なくともその訳す対象を好きであった方がいい。仕事で翻訳しているわけではないので、無給の奴隷労働をしているような気持ちになってしまったら、いい翻訳ができる可能性、それどころか最後までやり通せる可能性も、急激に下がります。

何かを翻訳すれば、それがどれだけマイナーであっても、読者層は広がります。情報があらゆる場所にあり、「常時つながっている」時代であっても、人々というのは自分の母国語しか知らないのが当たり前です。

翻訳されたものがリリースされるたびに、どこかの誰かにとっての選択肢が増えることになります。このこと自体が翻訳することの目的になり得ます。"translator"には「ガイド・導く者」という意味もありますが、それがより重要性を持ってきます。

あなたが好きなものが、より多くの人の目にも触れるようになる、という効果をもたらすことにお気づきでしょうか。いやいや、なんと幸運な偶然でしょう。

実際、最終的には関わったすべての人にとって結構いい感じに成功すると思いますよ! 上に書いた過ちの数々はこれからも何らかの形で繰り返す予定です。

失敗すると分かっていることをやり、達成不可能な完璧な仕上がりを求めて懸命に努力し続けるのです。

とりあえずそんなところでしょうか。さて、ルート一つが終わったので、作業に戻るとします。

- Silentcook

(訳注:Silentcook氏はKSのシナリオ編集と、イタリア語訳を担当しています。)

2010年10月24日日曜日

ライブ視聴ありがとうございました&SS翻訳第一弾

先日告知した翻訳ライブは無事終了しました。視聴いただきありがとうございました。

正直二回目があるかどうかは……どうでしょうかね。
やる方は結構プレッシャーがあるので。

訳出したSSを以下に公開します。ライブ時から多少手直ししました。
ライブを見られなかった方も、ゆっくりご覧ください。

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「これは公式ではありません」

自分の耳で、リズミカルに地面を叩く自分の足音を聞くのはとっくに慣れっこになっていた。最新の気取ったガジェットから、音楽が頭に流れ込んでくる。俺はそのビートと自分の歩調をゲームのように合わせる。

走ることは俺の習慣になっていた。雨が降ろうが、雹が降ろうが、日が差そうが、仕事の前に30分走り、昼休みの間に30分走る。俺は走って、走って、さらに走る。

3度目の生きるチャンスを与えられた人間の人生というのは、こういうものだ。

最初の発作の後、俺の人生はぶちこわされたと思った。残酷なゲームを俺に押しつけた、高いところにいる神様たちに呪詛を吐き、俺は自己憐憫におぼれた。それの何が悪いっていうんだ? 俺は自分の黄金時代だと思っていた時期に打ちのめされ、友達からも引き離されて、新しい環境に無理矢理突っ込まれた。当時は、俺はすべてを失ったと思っていた。

馬鹿みたいな思春期特有の不満から、俺は自分がわかる唯一の方法で自分の運命に抵抗した。医者の指示に従わなかった。薬をまじめに飲まなかった。ほとんど運動もしなかった。

その報いは素早く、そして容赦なかった。俺は「喪失」という言葉の全く新しい意味を知った。今は、痛みも耐えるには辛いものになった。

だから俺は走って走って、走り続ける。これが俺の贖罪だ。この10年間、毎日俺は走ってきた。

もう10年になったのか?


プレーヤーの曲が一周したので、俺は前を見て気合いを入れ直す。過去を振り返ってもどうにもならない。俺は上を向いて、前を見て、先を見通さなきゃいけない。


待てよ。


俺は視界に何かを認めて、その時稲妻のようにひらめいた。この10年間で初めて、俺は走るのを途中でやめ、振り向いた。

公園の池の脇にあるベンチに座っている人がいる。もう何千回もこのベンチのそばを走りすぎたはずだ。でもこの人物が座っているのをみたのはこれが初めてだ。彼女はサンドイッチの端をちぎって池に投げる。あひるが怠惰そうに落ちたところに泳ぎつき、それを食べる。

この世で俺以外の誰が彼女の手を見たとしても、何とも思いはしないだろう。確かに、年月は情けを示したようだ。俺が見覚えのある濃い紫色の痕は、周りの肌とちょっと色合いが異なる程度にまで薄れていた。

「華子? 華子なのか?」

手の主は振り返って俺を見る。どれだけ心臓病の運動をしたとしても、この瞬間に耐える用意はできなかっただろう。最後に会ったときと場所から何百万年、何百万キロ離れたこの場所に、華子本人が座っている。

華子の特徴だった前髪はなくなっているが、髪は伸ばしていた。いや、そうでもないかもしれない。座ったままではわかりにくい。手と同じように、顔の痕も薄らいでいた。

「久夫くん? どうしてこんなところに?」

華子は俺に気づいて立ち上がる。最後に会ったときよりも成長していた。背は少し高く、そしてずっと大人びていた。

まあ、大人びてるのは当たり前だ。もう大人の女性なんだから……

なんだこれは? 集中もできやしない。エンドルフィンと乳酸が俺の頭を鈍らせている。集中しろ俺、集中するんだ。過去は過去だ。失ったものはもう絶対に取り戻せないんだ。

「俺、あの、この近くで働いてるんだ。この辺で毎日走ってて、でもお前がいるのは今まで見たことなかったから……うわあ、もうどれくらい経ったっけ?

華子は少し首をかしげる。くそ、今のは言わなきゃよかった。いやな記憶が華子の頭の中にいっぱいになってるに違いない。ちくしょう、なんてかわいい頭をしてるんだ。今まで誰にも言ったことはなかったけど、華子の頭はかわいい。

「長すぎた……ほんとに長すぎたわね。私、仕事で来てるの。道の向こうのホテルに泊まってる」

華子は後ろのどこかに向かって手を振る。細かいことは関係ないんだろう。それよりも、彼女の物腰が変わったことに驚いた。もちろんその始まりはずっと昔、高校生活の終わり頃から現れていたけど。

あの頃の俺たちの関係は、繭を作っている芋虫のようなものだったと思う。進展はあったけど、それは終わりではなかった。俺の前に立っているのは、蝶となった華子だ。完全に成長しきって、世界へと羽ばたこうとしている。

華子が羽化したときに、俺はそのそばにいなかったということに気づいて、心がずきりと痛んだ。

「へえ、出張か。じゃあ、華子もうまくいってるんだな……」

前触れもなく、時計が鳴り始める。鋭く二回鳴り、1秒間止まる。その繰り返し。今まで、それは回れ右して仕事に戻る合図だった。今日のそれは俺と古い友達の間に打ち込まれたくさびだった。

「やばい、俺仕事に戻らなきゃ。なあ、今日の午後は暇か? 今日は金曜日だから、少し早く帰れるんだ。酒かコーヒーか何か飲みながら、話さないか?」

「ええ、いいわ。ホテルの近くにいいカフェがあるの。大通り沿いに。『ステートメント』って名前だったと思う」

「ああ、それなら知ってる。そこで5時くらいに会えると思う……それとも早すぎる?」

華子は首を振る。短い動きが彼女の長い髪の毛を踊らせる。水晶のイヤリングの輝きがそれを強調する。

俺たちがデートしていた頃、華子は一度もイヤリングをしなかった。似合ってる。

「5時でいいわ。じゃあ後でね」

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華子は公園にいたときと同じスーツを着ている。薄いグレーで、白いピンストライプだ。誰か他の人が華子のスカートをはけば、「ロング」スカートと呼ばれるだろう。だけど華子のことだ。俺に言わせれば華子の3/4? の長さのスカートはむしろミニに見えた。俺は18歳に戻り、ホルモンの海で泳いでいた。

「もうワインを一本頼んだけど、いいでしょう? いつまであなたがいるかわからなかったから」

華子の話し方を聞いて、俺はほとんど口がきけないほど驚いた。今になって初めて、俺は華子の声色に気づいた。学校時代には全然注意していなかったのだ。華子に聞かなきゃいけないことがある。たくさんの、意味のない質問を、華子が俺に話し返してくれるものならなんでもいい。

「いや、全然構わないよ。あと遅くなってごめん。思ったより仕事が長引いちゃって。電話しようと思ったんだけど、番号知らなかったから……」

「じゃあ、それは何とかしないとね。あなたの番号は?」

華子の指が携帯の上で踊って、俺のデータを入力していく。最後に俺の電話にかけて、手順を終わらせる。

「さてと、じゃあ久夫くん、最近何してるのか教えて?」

「正直言うと、大したことはしてない。生命保険の会社の保険数理士っていうのをやってる。人がいつ頃死ぬかを計算して、保険を引き受ける価値があるかどうか判断するんだ。15.7年。参考までに言うと、俺にはそれしか残ってない。走るのを始める前は、その半分しかなかったかも。自分の勤めてる会社の保険にだって入れないんだぜ」

「辛い話ね」

「まあね。でも請求書を払って十分おつりが来るから、文句は言えないさ。華子はどうなの? 悪気があって言う訳じゃないけど、すごく変わったじゃない」

華子は遠くを見るように顔を見上げる。最後に会ったとき以来の彼女の人生を振り返って、大事な出来事を思い返すかのように。

「そうね、変わったかもしれない。でもいろんなことが起きたから……あのことも……あなたの……ね」

「心臓発作だろ。別にいいよ。言っても」

「ええ、あなたの心臓発作。あれのおかげで、いろんなことを自覚して、それで助けを呼ぼうと思って離れていった」

古い怒りが波となって俺に押し寄せる。あの古ぼけた病院で二度目に目覚めたとき、華子はいなくなっていた。手紙もなし、電話番号もなし、ナースに伝言さえしなかった。俺にしてみれば、彼女は蒸発したとしか言えなかった。

これを言うのは俺にとっては苦痛だけど、それが一番よかったのかもしれない。ようやく華子が自分の顔をあらわにして、自由に話せるほど自信をつけたのを目にするのは、俺の苦しみをいくら積んでも釣り合わないだけの価値がある。

「まあ何をしたにしても、うまくいってるよ! 率直に言うけど、すごくきれいになった」

「あ……ありがとう」

ああ、「俺の」華子は完全に失われたわけじゃないのかも。華子のほおが真っ赤に花咲き、魅力的だけどいらだたしくもある、あのどもりが戻ってくる。

ワインがやってきて、ウェイターがそれぞれのグラスに注ぐ。二人とも軽食を注文すると、ウェイターは陰に退き、俺たちはまた二人きりになる。

「とにかく、あの……場所を……離れてから、私は大学に戻ったの。専攻も変えて、今はこうして、レビュー記事を書いてる」

「レビュー? 何の?」

「ホテル、食べ物、着るもの……何でもよ、ほんと。世の中いろんな雑誌とか、ウェブサイトとか、新聞とか、旅行ガイドとかがあるから……全部足せば、レビューの需要はたくさんあるの。だから私も書いてるってわけ」

「へえ。それは思いつかなかった。楽しい?」

「請求書を払って十分おつりが来るから」

「そっか」

二人ともワインに口をつける。最初の近況報告的な会話が終わった後、お互いにあまり話すことがなくなる。かつて俺たちがデートをしていたとき、二人の関係は会話で成り立っていたわけではなかった。どちらかというとお互いの利益のために、とでも言うべきか。

食事が届き、話さずにすむ口実ができるけど、それもワインと一緒にすぐになくなってしまう。華子がもう一本ボトルを頼み、ウェイターがダイニングスペースからラウンジに移らないかと尋ねる。

「旅行のレビューを書くって言ってたけど、どこかおもしろいところに行った?」

「行ったけど、行ってないの。私が書いている旅行レビューのほとんどは作り話だから。いろんなすてきな場所のことをたくさん読んで、ほんとに行ったように見せかけるの」

「それって詐欺じゃないか?」

「そうでもないわ。私が書いてるような雑誌を読む人たちは、そもそも旅行なんて絶対行かないから。だから、代わりに旅行に行った気分にさせてあげるってわけ」

「じゃあ、お前は嘘をつくことでその人たちの役に立ってるってわけだ」

「世の中はそういう風にできてるのよ、久夫くん」

ワインが効き始めている。この「新しい」華子もムードに乗ってくつろいでいるようだ。2本目のボトルも来たときと同じくらいあっという間になくなり、ウェイターがもう一本頼むかと尋ねる。

「ワインは嫌いじゃないけど、次はウィスキーのロックにするよ」

華子はその言葉にしばらく考え、おもしろいけど覚えにくい名前のカクテルか何かを注文する。

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華子のホテルの部屋は、今風の銀色の内装が施された、いい部屋だった。部屋の目玉は、普通ホテルといえばそういうものだが、ベッドだ。そしてその上で華子と俺は抱擁する。

最後にこうして出会ったとき、俺は処女の華子とセックスをした。
だが今夜、俺は大人の女性となった華子と愛を交わす。

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カーテンの隙間から陽光が差し込んでくる。どうやら俺たち二人とも、カーテンのことは気にしなかったらしい。

華子はもう起きていて、ブラウスのボタンを留めていた。俺は少し体を動かして、華子の枕からシャンプーの残り香をかぐ。ココナツっぽい。俺は一人笑う。これだけの年月の後、華子と俺はまた一つになったのだ。この世のすべてがうまくいったような気がする。

「おはよう」

「あ、あの、おはよう、久夫くん」

ほとんど無意識に、俺は華子が左の薬指をもてあそんでいるのに気づく。明るい朝日の中で、その指の付け根に紛れもない薄い色の皮膚が帯となっているのが見える。

つい最近まで、華子は指輪をつけていたのだ。

「ひ、久夫くん……あなたに言わないといけないことがあるの……」

2010年10月21日木曜日

Ustreamでライブ翻訳します

最近はネタがあまりないので、ちょっとした企画をやってみたいと思います。

フォーラムのFan Fiction板に、ライター各氏がこれまでに書いた非公式な小説作品が投稿されています。ここから試しに一点ピックアップして、直接翻訳していく模様をUstreamでライブ配信してみます。

試行錯誤も入ると思いますので、見ていて面白い内容になるかはわかりませんが、よろしければご覧ください。

当日のお題はこちらです。"This is not canon"(公式ではありません)
http://ks.renai.us/viewtopic.php?f=52&t=1673

cpl_crud氏が、大人になってから再会した久夫と華子の模様を描きます。

開始時間は10/23(土) 22時の予定です。2時間くらいで終わらせるようにします。

配信アドレスはこちらです。http://www.ustream.tv/channel/ks-jp

2010年10月20日水曜日

かたわ少女 FAQ(2009/05版)

Act1の公開に前後して書かれた、かたわ少女のFAQです。
少し情報が古いですが、参考になると思います。

http://ks.renai.us/viewtopic.php?f=13&t=1471#p11839 より

Q: 完成版はいつできますか?
A: 完成したときです。プログレスバーみたいなものは期待しないでください。私たちも正直進捗をちゃんと把握していません。時々進捗が突然前に戻ることだってあります。大まかな時期を聞かれても同じです。

Q: 完成版ではsex/Hシーンはありますか?
A: あります。コンフィグでそうしたシーンをスキップするような設定も用意します。

Q: ぼかしは入りますか?
A: いいえ。

Q: 声は入りますか?
A: いいえ。これはいくつかの理由により、数ヶ月前に決定しました。会話文の量が多すぎる、声を録音したらもうスクリプトを変えられない、キャラごとに声優が必要、すでに多数いる開発者をさらに増やすことになる、等々。声優としてスタッフに応募されても採用しませんので、ご遠慮ください。ごめんなさい。

Q: エピソードごとのリリースはありますか?
A: いいえ。次のリリースで完全版をリリースします。(つまりAct2、Act3と個別にリリースすることはありません。)

Q: 完全版は有料になるんですか?
A: いいえ。本当に私たちを金銭的にサポートしたいという方は、そのお金を慈善団体に寄付してください。そちらの方がずっと切実にお金を必要としています。

Q: 公式サイトに私の言語が使われていますが、ゲーム自体も私の言語に翻訳されるんですか?
A: いいえ。あなたか、誰かあなたの言語に詳しい心優しい人が翻訳しない限り、ありません。イタリア語訳は例外です。Silentcookがデモと同様に完全版も翻訳します。翻訳したいという方には、スクリプトファイルを提供するつもりですが、こちらからは限られたサポートしかできません。とはいえ、すでに多くの翻訳プロジェクトが進行中です。

Q: 完全版ではミーシャのルートはありますか?
A: いいえ。

Q: それぞれのヒロインごとに異なるエンディングはありますか?
A: はい。全てのルートに少なくとも2つのエンディングがあります。

Q: Act1で100%を取る/特定のエンディングを見るにはどうすればいいですか?
A: サポートフォーラムに攻略チャートが掲載されています。(訳注:日本語版はこちらをどうぞ) 

Q: プロジェクトが終了してから、立ち絵・CG・音楽・背景などの素材を別にリリースしますか?
A: いいえ。ただし公式サイトの素材や、ゲームのスクリーンショットは自由に使ってかまいません。

Q: スタッフはみんな4chanの名無し出身なんですか?
A: いいえ。ときどき(あるいはもっと)4chanに書き込んでいる者も何人かいますが、それだけです。信じられないかもしれませんが、私たち自身がKSに関するスレ立てをすることは決してありません。書き込みをすることはあるかも知れませんが、概ね私たちはほかのことで忙しいのです。

Q: 私もプロジェクトに参加して手伝いたいですが、いいですか? 私は(あれやこれや)ができます。
A: たぶん無理です。とはいえ私たちも多少心境が変化しています。何度か。なので、ご自分が確かに貢献できると言うことを示す一番の方法は、KS関連の良質な成果物のサンプルをいくつかフォーラムに投稿することです。グッドラック。KSの開発は基本的に無償の作業です。そして私たちは率直さについては容赦しません。

Q: かたわ少女を完成させたら、別のゲームを作るんですか?
A: まだその話をするのは早いでしょう。まずKSを終わらせなきゃいけないし。

Q: KSを別のプラットフォームに移植したいです。どうですか?
A: 答えはノーですが、かたわ少女は素のRen'Pyエンジンで動いています。これはオープンソースなので、Ren'Py自体をご希望のプラットフォームに移植できるなら、ぜひどうぞ。こちらから対応プラットフォームを追加する予定はありませんし、あなたの試みをサポートすることもありません。

Q: KSを別の言語に翻訳したいです。どうですか?
A: もちろんどうぞ。フォーラムかIRCでSurikoに連絡してください。ただしその場の思いつきでないこと、最低でも何らかのチームが存在することを証明できるようにしてください。

Q: 私の疑問はここに載っていません。どうすればいいですか?
A: フォーラムに目を通してください。Public Informationセクションに山ほど情報が載っています。あなたの疑問も多分(答えも含めて)見つかるでしょう。フォーラムを探したけどそれでもあなたの求める答えが見つからない場合は、質問を投稿するか、IRCに参加してみてください。irc.irchighway.netの#katawa-shoujoです。開発者が少なくとも一人はほぼ必ず常駐しています。

ライセンスについて:
かたわ少女はクリエイティブコモンズ BY-NC-NDライセンスのもとで公開されています。ライセンスの全文はマニュアルに掲載されています。こちらのリンクからも参照できます。 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/

BY-NC-NDとは「表示-非営利-改変禁止」を意味します。説明すると:

1. あなたはFour Leaf Studiosの作品であるという表示をする限りにおいて、かたわ少女をそのままの形で再配布することができます。

2. あなたはかたわ少女を営利目的で使用してはいけません。これはゲームの再配布、またはファン活動によってお金を得ることも含みます。

3. あなたはゲームを改変したり、これをもとにあなた自身の派生作品を作ったりしてはいけません。特に、リバースエンジニアリングによって音楽、画像、スクリプトを抜き出す行為はライセンス違反であり、許容しません。

もちろん私たちは、これらの制限を個別に免除することもできますし、翻訳プロジェクトなどに対して実際にしています。ライセンスの違反となるけれども、いいと思われるアイディアをお持ちである場合は、私たちの許諾を得てください。

私たちはこのゲームを作るために長い間苦労を重ねてきました。そして皆さんに無償で配布しています。そして皆さんがゲームについて話をするための場も提供しています。その代わりに、みなさんもこれらの簡単なルールにしたがっていただけるようお願いします。

2010年10月10日日曜日

坩堝




この週末、influence mapというDeviantArtから始まったミームがFour Leaf Studios内で大流行した。 コンセプトは単純だ。5x6のチャートを自分が影響を受けたもので埋めるだけ。強く影響されたものが、より大きなスペースを占めるようにする。12人の4LSメンバーがこのマップを作り、それを一つの巨大なメガマップにまとめ上げた。KSプロジェクトに直接関わる内容では全くないが、KSそのものがどんなものに影響を受けたかについても、私たちは議論や考察をした。その結果は容易にこれと同じくらい大きなマップを埋め尽くすだろう。

ともかく、これはとても興味深い試みだった。自分たちやお互いのことを考え、より深く理解するきっかけになった。特に絵を描かないメンバーの何人かは、マップを埋めるのに笑ってしまうほど苦労していた。ある意味、こうして私たちに影響を与えたものをまとめ上げるというのはとても適切だと言える。KSは結局、みんながお互いに影響を与えながら、それぞれの作り上げたものを出し合っていく坩堝なのだから。(その証拠に、私たちのスタジオのロゴもマップのどこかに入っている。)これまでに話したことのあるものもあったし、間違いなく予想外のものもあった。どの影響元が誰につながっているのか、当ててみるのも面白いだろう。

IRCにいる仲間たちもマップづくりに挑んだ。彼らが影響を受けた様々なものに混じって、その中に「かたわ少女」が納まっていたので、私は純粋に驚いた。すごいものだ。私たちが影響を受けたもの(加えて、それらが当時影響を受けたもの)は、他の人々にとっては二次的に影響を及ぼし、それがさらにいつの日か、どこかで別の人たちに届いていく。この影響の繰り返しについて私に尋ねたのはmoekkiかkamifishだったと思う。この連結性に私はしばらく固まったが、どういうわけかその奇妙な感覚は、それを感じ始めたときと同じくらい突然に消え失せた。私は生産性向上のためにモチベーションを刺激する「電気の流れる首輪」を4LSに導入する件について考える作業に戻り、一人かすかにほくそ笑んだ。

あなたは何に影響を受けていますか?

- Aura

2010年10月1日金曜日

茨崎笑美の場合

みんな作業にかかりっきりだったので、しばらくブログをほったらかしにしてしまいました。というわけで、久しぶりのブログ記事です。今回は笑美の絵についてです。

笑美のデザインの進歩を見るために、その移り変わりを時系列で示してみました。最初はRaitaのオリジナルのスケッチ(元は白黒、彩色は別の人)から、Ke^4のデザイン、続いてAmbiのデザイン、そして最後に現在ゲームに収録されている立ち絵です。


ご覧の通り、笑美のデザインは義足を除いて大体オリジナルに沿ったものになっています。Raitaのオリジナルの絵に描かれているのはランニングブレード(板状の走行用義足)をアレンジしたものですが、これは主に足を失ったアスリートが走るために使うものです。このため、現実世界で使われているランニングブレードを参考にしたものが体操着の立ち絵で使われています。日常生活では、もっと目立たないものを使っています。体操着のデザインと色遣いも開発の初期に決まりました。Ke^4がデザインしたもので、かなり後になるまで変更されませんでした。

笑美の最初のイラストレーターだったAmbiは、最初の再デザインと基本的な立ち絵を2008年2月頃に完成させました。他のヒロインに比べて画風が少し違うのと、彼女の制服に違いがあるのはこれが理由です。Ambiは笑美の「ページボーイ」風の前髪をもっと今風のものに変えて、同時に髪の長さも全体的に短くしました。

2009年半ばにAmbiがプロジェクトを辞めたため、他のCGなどのイラスト素材を描く際に、彼が確立した画風と合わせるのがとても難しくなりました。そのため2009年の12月にもう一度デザインをやり直しました。これまでのデザインとの差異は最小限にとどめる一方で、髪型は私とPimmyが描きやすいように少し修正しました。このデザイン変更の結果はAct1 V4で見ることができます。

最後におまけですが、今の笑美のデザインをしたときのキャラクターシートです。


他のキャラクターについても、そのうちに今回みたいなブログ記事を書こうと思ってます。待っててくださいね。

- Moekki